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方位術でも奇門遁甲は気学と違い、戦の学問で兵隊さん全員を動かすため、吉方は全員に吉方になります。
なので、家族や友人がみんな一緒に吉方取りが出来ます。
ということで気学仲間で時々一緒に吉方取りをしてきましたが、
あるとき台風に向かって吉方取りをしたことがありました。
今思っても大胆なことをしたもんだなあと我ながらあきれます。
グループでの吉方取りは前々から日程や場所を決め、早めに準備を進めていきます。
このときは夏休み中ということもあり、参加者がいつもより多くなりました。
20人はオーバーしていたと思います。
計画では海のそばのバンガローに一泊してバーベキューなどで楽しむことになっていました。
用意万端、準備が整いあと3日というときに、なんと私たちの目的地に台風が接近しているとの情報。
いくら吉方取りとはいえ、台風に向かっていくのは無茶だろうといったんは中止を考えました。
ところが、メンバーの女性の一人が「遊びに行くのではない、私は吉方取りに行くんだ、
台風なんか関係ない」と言い出したのです。
とんでもない理屈だなとは思いましたが、当人は自分ひとりでも行くんだと言い張り中止する様子がない。
言いだしっぺの私としては放っておくわけにもいかず、同行することにしました。
ところがあきらめ切れなかったのか、他のメンバーも次々参加を表明し、結局メンバー全員が行くことになったのです。
メンバーにすると吉方取りという大義名分がありましたが、吉方取りを知らない人からすると、台風に向かって旅行に行くなんてとんでもないこと。
友人から「あんたら、馬鹿じゃないの」と呆れられたメンバーもいました。それは当然の話。
吉方取りは行く前から吉方作用が発生することがあります。
今回もそれは起きました。
台風の中をバンガローで一夜を明かすというのは無理があると考え、予約していた施設に電話を入れました。
すると、向こうの受付の人も心配してくれて、急遽研修センターを貸してくれることになったのです。
夏休み期間中は行事のため研修センターが空いていることはほとんどないとのことだった。吉方作用のなせるわざ。
おかげで夏の暑い日に冷房のある部屋に泊まれることになったのです。
と、いうことでいざ出発。
凶方位と違い吉方は今までの経験でも、道中はスムーズにいくことは分かっていましたが、
さすがにこのときは緊張したことを覚えています。
吉方取りということで到着時間は夜の9時過ぎ、土砂降りの中、暗い夜道を走ります。
海岸近くの川は増水し、今にも道路が冠水しそうな勢い。
やっと研修センターにたどり着くと、土砂降りの中、濡れながら荷物を研修室に運び入れます。
その日は遅いこともあり、広い研修室で雑魚寝。
翌朝、なんと雨が止んでいました。台風は通り過ぎたようです。
近くの観光施設で遊んだり、予定通りバーベキューをし、花火を楽しんだりして1日を過ごしました。
不思議だったのはバーベキューや花火など予定の行事が全て終わってからまた雨が降り出したこと。
それはまるで全ての行事が終了するのを待っていたかのようでした。
と、いうことで台風に向かったとんでもない吉方取りが無事終わったのでした。
帰ってから1週間もすると、スタンドでくじを引いたら1等が当たってイルカの浮き袋がもらえた。
郵便局からすっかり忘れていた定期貯金の満期のお知らせが来たなどささやかなものから、
職場の人間関係がスムーズにいくようになったなど吉方作用の報告が相次いだのはいつものこと。




